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クルーズの大衆化
クリスマス・クルーズのような短期クルーズになると、日頃クルーズを体験したことの無い人々が乗船してくる。夏休みのクルーズなどは日頃の乗客年齢層70歳ちかくなのが、子供つれファミリー層の参加によってうんと若返ってくる。
それはそれでとても良いのではあるが、子供たちが傍若無人に振る舞うのを親が一向に注意しようとしない。親だけでなくおばあちゃんも参加しており、見たところ私と同年代だと思われるのに、そのおばあちゃんも知らぬ顔である。
外国の船では考えられないことである。人々が集う、「公衆の場でのしつけ」がきわめてしっかりとしているのが外国である。基本はきわめて明確である。「人がやって不愉快に感じることを自分はしない」ことにつきる。
もともと西欧の文化が基本にあるクルーズは、多くの人にとって「何となくけむたい存在」と受け止められていたのだと思う。だからして日本のクルーズ人口は極端に少ないのかも知れない。
「クルーズの大衆化」とはこのような基本的なマナーを心得ない人が増加することを言っている。「権利ばかり主張して、義務を守ることを徹底しない」戦後教育の集大成がここに完成したということであろうか。
でもある時の日本船クルーズで、まことに知的な女性が終始読書をして過ごしていた。でもその女性には男の子がいて、時々お母さんのもとへやってくる。それから注意深く観察していたら、実にキチンと男の子をしつけているのである。しかも単に叱りとばすのではなく、しっかりと話し合って不適切な行動を指摘しているのである。見ていて感動した。
第二の人生を歩んでいる人々は、まだ「倫理観」が結構キチンと埋め込まれた世代である。20年もすればそのような世代も消えてしまうのであろうが、今のうちにこのような意味での「大衆化」を私たちの手で阻止したいと思う私は古い価値観にとらわれた人間なのだろうかと自問自答したりする。
このようなことを言うと批判されるが、日本民族は基本的には勤勉で、礼儀正しく、有能な民族だと思う。それが「個人が個人として認識されない場、例えば団体行動」となると、とたんにその美風を失ってしまうような気もする。
このようにあれやこれやと考えてみるのも脳細胞の活性化に結びつくと思う。