![]() 香港起点 ヴァーゴ クルーズを楽しむ秘訣新しくシンガポールから香港に配置換えとなったスーパスター・バーゴに乗船してきました。この値段で、この内容の船が日本発着で欲しい!と痛切に感じました。 下船してホテルまでご一緒したご婦人は「飛鳥2に乗船経験があるけれど、この値段と内容にはとても満足。ワンナイト二人分で5日間、航空券からホテルまで含めてすべてを楽しめるものね」といっていました。まさに同感です。 ただこの船を楽しむには少しばかり「コツ」が必要です。次の点さえ心得れば、とても満足度は高いと思います。 ●乗船してから夕食まで、お金を出さねばコーヒ一杯も飲めません。結局有料でサンドイッチと飲み物を購入し、夕食まで待ちました。 ●いつでもコーヒ、紅茶程度は飲めるはずのクルーズが早朝の1時間半、午前1時間、午後1時間を除くとコーヒー、紅茶が無料では飲めません。 ●ダイニングで食事してブッフェでコーヒと果物など・・・これが駄目!! 洋食レストランと、中華レストランにブッフェの3つが無料ですが、入り口でカードによるチェックを受け、「ダイニングのはしご」は別途料金となるのです。 以上の不満を回避するためには是非バルコニーを推薦します。一室あたり1500HKドル(2万2千円)分の飲食が無料になるクーポンがついているのと、何事も航空機のビジネスクラスのように優先扱いになりますので、満足度は極めて高いです。またクーポンは有料レストランにも使えますから至極快適です。(24時間営業の有料レストランもあります) しかも海側キャビンとバルコニーとの値段差はクーポンの額を考慮にいれるとそれほど大きな金額差になりませんので、良いのではないでしょうか? 以上はお金で解決できますが・・・ ●食事の配膳が遅かったり、注文が通っていないことがある。(サービス品質にバラツキ) ●トイレのフラッシュが悪いことに遭遇することもある。 など「アラ探し」をすればきりがありません。タイタニックではないのですからあまり細かいことにこだわらないことです。 以上を心得れば満足度はかなり高いといえます。 さて良い点ですが ●乗船、下船がラプソディと比較して信じられないほどスムースです。(ラプソディは乗船に3時間もかかりました)下船など4時入港で4時半には下船完了しました。香港を本拠地とするため、通関の体制が完璧に整備されているのも理由のひとつでしょう。 ●あとで述べますがショウの内容が、何ともいえない工夫があり、「こんなの今まで見たこと無い!!」と思うくらいでした。写真やビデオが禁止なのが全く良く理解できます。 ●イベントが豊富で楽しいです。船側の一生懸命さが伝わってきます。 ●日本語対応が実にこなれています。早朝フロントに係員がたった一人しかいなくても、日本語でキチンと対応してくれます。日本語新聞も日本語版が配布されます。(ラプソディでは「これは日本語?無いよりはマシか?」と首をかしげる日本語対応でした。) ●設備はもともと立派ですが、綺麗にメンテされています。公共のトイレの掃除も行き届いていて気持ちが良い。 ●レストランやティータイムは時間より早めにオープンしてくれますので、入り口での行列がありません。 ●中国人対応がコスタ、ラプソディに比較すると数段優れていて、他民族が楽しく共存できるしくみが行き届いています。 以上の他にも良い点も悪い点も色々ありますが、邦船三船が世界でも特異な進化をとげてように、バーゴはアジア人のためのクルーズとして長年の経験が生きていると思います。 ショウに驚く 三晩連続の「歌と踊り」のプロダクション・ショウという豪華版でした。「歌と踊り」すなわち、ダンサーとシンガーは別段目を見張るほどのものではありません。でもマジックや中国雑技団(アクロバットチーム)?に新体操、シンクロチームに、体操の選手や、重量挙げと思しき男性の人間ショウなど実に多彩です。パンフレットには、現役時代にはいずれも世界有数の選手であったと記されています。 このようなスポーツ選手たちもシームレスにダンサーやシンガーと渾然一体になって、ショウを構成しているものですから、区別がつきません。ただ中国雑技団は中国人だから判別はできますが、かれらも歌と踊りのチームと見分けがつかない衣装なのです。 それぞれの実力者が彼らの持つ世界一流の得意技をたくみにショウとして進化させていますので、「それほどでもない」シンガーやダンサーと区別がつきません。ですからショウに見違えるほど深みがあり、また幅が広くなり、見るものを唸らせます。スポーツをショウ化したものにはアイスダンスがありますが、これはあくまでフィギャー・スケートだと観客にわかります。でもバーゴのショウはもっともっとショーの中に溶け込んでいるのです。このようなショウを見たことがありません。 圧巻はこれらスポーツ選手たちが全員登場した最終日です。総勢30人もの演技者が勢ぞろいで、広い舞台が出演者で埋め尽くされ、凄い物量に圧倒されました。素晴らしい演出家がいるのだなあと感心しました。 でもこのショウもいつまでも同じ事をするわけではないので、どのように変化してゆくのでしょうか? 中国の風俗・習慣を嫌う人のための配慮も十分です。 ●何かと物議をかもす「フォーマル・ナイト」がありません。カジュアルで通していますが、皆さんそれなりにお洒落を楽しんでガラ・ナイトはとても楽しいです。でも襟付きの上着など最低限のマナーはキチンと守らせているようです。 ●ショウは写真撮影禁止ですが、コスタは中国人のやりたい放題でした。ところがバーゴは一人でも違反者がいると、係員がすっとんできて注意します。 ●ショウは相変わらず出たり入ったりが多い中国人ですが、途中の出入りは劇場後方からしか許しません。うまくコントロールされています。 ●それでも中国の風俗・習慣が嫌いだという人は、洋食レストランへ行けばいいのです。洋食レストランででも中国料理を楽しむことができますが、座席はわけています。また中国風が好きだという人は中国レストランへ行けば、大いにその雰囲気を楽しむことができます。 そんなわけでコスタやラプソディとは異なり、中国の風俗・習慣の嫌いな人はそれなりに、好きな人もそれなりに、違和感なく楽しめるシステムには大いに感心しました。 アジアでのクルーズは風俗習慣の異なる多民族の集合体です。そのような乗客が違和感なく楽しめるようにする、経験の蓄積に、欧米のクルーズ会社は学ぶべき点が数多くあると思います。 |